こんにちは。
プロゲーマーの梅原大吾さんおすすめの、「宇宙よりも遠い場所」というアニメを見て、女子高生たちの人間関係・人間心理の在り方をまじまじと見せつけられ、号泣してしまう30代のいちひろです。
本日は、前回の続きになる部分です。
チキン利食いや、損切解除して一撃で吹っ飛ぶなどトレーダーなら1度は経験したことがある失敗の原因である、「プロスペクト理論」をどのように克服するかについて、実体験に基づき解説したいと思います。
【克服】プロスペクト理論 ~己を制する者~
まずトレードに関わる、認知バイアスについて代表的なものは以下の2点でしょうか。
①サンクコストバイアス
②プロスペクト理論
改善は、まず「知る」ことから始まります。それぞれ見ていきましょう。
①サンクコストバイアス
「何かに手を出したり買ったり関係ができた時に、お金や時間を既に使ってしまい回収不可能なため後には引けなくなり、合理的な判断が難しくなる人間の認知的な傾向」
簡単に言うと、「もったいない精神」です。難しく言うと、過去の失敗などが現在の意思決定に影響を与える心理です。
日本人は、昔から食べ物を残さないという文化、欧米は残す文化。こういった国民性からも、投資に向き不向きが表れてきます(日本の義務教育は特に悪ですね~)
また恋愛でも依存関係にある間柄。
「愛情」から「愛」が抜け「情」しか残ってません。
でも別れられない・・・・
自分が精神的にも金銭的にも限界だ・・・
でも別れられない・・・・
これは、サンクコストバイアスの一例で、日常生活で多く見られます。恋愛であれば、「感情」が表に出てきやすいので、お金を掛ける事と共に、バイアスが掛かりやすい事象となります。
トレードの場面ではどうでしょうか?
例えばスイングトレード。1カ月待って待って待ったのだから、ポジションに対して執着してしまい潔く損切ができない。
トレードで、数百万飛ばしてしまったんだから、もうやめられない。
トレードで回収してやる。
こういった精神状態に陥りがちです。
*注意
トレードはスポーツの世界のように明らかな限界のある世界とは違い、正しい訓練で自分と向き合い(プロスペクト理論など心理)、取り組みを継続すれば必ず成果が出る世界ですのでご安心ください。
■余談
日本人の生命保険加入率 男性81.1%、女性82.9%
保険ビジネスこそバイアスの恩恵です。
「もしも・・・・」有り得もしない不安を煽り、無駄な掛け金をねん出させる。わたくし個人としては、このビジネスモデルは電●やTV●と共に消えていいと考えています。むしろ消えるべき企業とも考えています。この企業が消えたときが、日本は利権が減り、日本人の本質的価値観が良い意味で変わった時となるでしょう。
トレーダーに関わる認知バイアス 3つ
■前説
トレードは、エントリーからイグジットで完結するまで、選択・意思決定の連続です。選択の連続であるからこそ、瞬時に判断して意思決定をしなければならないので悩んでいる暇はありません。
しかし、感覚的な勘や経験を頼りに選択したすると、トレーダーではない限り多少なりとも後悔をした経験はないでしょうか?人は、人間だからこその考え方の癖や傾向(=認知のゆがみ)を持っており、それが邪魔をして合理的な意思決定ができなくなってしまいます。この認知のゆがみを”認知バイアス”といいます。サンクコストバイアスもこの認知バイアスに含まれています。
(1)あと知恵バイアス
出来事が起きて結果が分かったあとに、「そうなると思っていた」と、あたかも始めから知っていたかのように、自分の考えを結果と一致させようとすることです。それは、もし結果を知らないままで考えていたら、そうなるとは思っていなかったとしても起こります。
経済アナリストのほぼ100%がこれに該当します。出来上がったチャートであれば、誰でもロジックを当てはまることができます。
人は、答えや結果を先に知らされると、考えることを止めてしまい、自分もそう思っていたと、判断力や思考力がつかなくなるそうです。ですので、右側が見えていないチャート(フォレックステスターなど)で訓練することをおすすめします。
(2)確証バイアス
人は、自分の主張や思い込みを支持する情報や、都合のいい情報を集めて、自分の主張を強化しようとする傾向があります。それを確証バイアスといいます
ポジションを持ったあと、自分の都合の良い情報を探していませんか?
特に含み損で塩漬けにしているときは、確証バイアスで自分を安心させようとしてしまいます。この時点で、本能の通りに動いてしまいます。→つまり投資の世界では利益を上げることができなくなります。
(3)後悔
自分が選んだ選択肢の結果について、選ばなかった選択肢の結果を想像して比べてみた時に起こる感情です。
利食いをしたら伸びた。損切をしたら順行した。
トレードの世界ではきりがありません。
私も普段のルール通り、直近高値で利食いした後、ドル円が100PIPS爆上げたときは「まじか・・・・くそおおおお」と感情が揺さぶられました。
そこから、明らかに普段のトレードができなくなったという後悔の経験があります。
しかし、それぞれの結果がどうなるかは事前にはわからないわけですし、予知能力があるわけでもないので仕方ありません。先の未来で相場が動くかは誰にもわからないのです。だからこそ「今この瞬間の値動きが全て」という軸を持つことも対処足り得ます。
②プロスペクト理論
不確実性下における人間の意思決定モデルの一つで、「得を求めるよりも損を避ける」人間の心理傾向のことです。
よくある例でお伝えします。
さいころを投げて
偶数なら100万円がもらえる。
奇数なら50万円を失う。
ゲームに参加しない人は、20万円をもらえます。
あなたは、どうしますか?
有名な期待値のパラドックスの一例なのです。
■ゲームに参加 +100万円or-50万円 →期待値は25万円
(100×3/6)+(-50×3/6)=25
■ゲームに不参加 +20万円 →期待値は20万円
20×1.0=20
つまり、ゲームに参加したほうが期待値は高いのです。
しかし人間は、リスクが小さく固い勝負でも、損失を回避しようとしてしまします。
損切ができない。
損切が苦痛。
その結果、一撃で破産するパターンにつながっていきます。
ちなみウォール街の某調査によれば、一撃で資金の30%以上を失った人の95%は資金を全て溶かすそうです。(私が実証していますww)
大きな損失で、プロスペクト理論に陥ってしまうのも原因の一つでしょう。もしくは、そもそもプロスペクト理論を克服してない人の可能性が高いのでしょう。
また、勝っているときは安定志向に、負けているときはよりリスク志向に
なる傾向があります。連勝が続いた後は、より損切が難しくなり、負けているときは、大きなリスクを取ってしまいます。
③バイアス4つの克服方法
(1)ルールを決めておく
バイアスを克服するためには事前にルールを決めにつきます。
撤退する条件を明確に決めておくことです。
サンクコストバイアスなど、認知バイアスそのものをなくすことはできません。だからルールを決めておくのです。そして慣れる。付き合っていくのです。
すると事前にルールを決めて守ることで、サンクコストバイアスによる迷いや不合理な判断を避けられるようになります。
特に、エントリーとイグジットに関わるルールを明確にすると、悩む(サンクコストバイアスやプロスペクト理論)が効きにくくなります。
■EX
(1)エントリー条件が崩れたらポジションを決済する。(1分、5分レベルのレジサポラインを割ったらイグジットなど)
(2)エントリー後5-15分経っても、順行しなければポジションを決済する。
(3)リスクリワード1.0で8割決済する。残り2割は、直近のレジサポラインで指値(分割決済)
(4)22:30(NYオープン)前に決済する。
(2)認識を変える
フレーミング(プリフレーミング・リフレーミング)
A:成功率95%の手術
B:2000人中100人が死亡する手術
あなたはどちらの手術を受けたいですか?
どちらも、95%成功・5%失敗という確率です。しかし、「Aの手術を受けたい」と感じる人が多いのではないでしょうか?
理屈で考えると同じ内容でも、プラスの面を見るのかマイナスの面を見るかで大きく印象が変わります。
損切のイメージはどうでしょうか?
損切→苦痛
損切→負け
トレードのイメージはどうでしょうか?
一撃数千万!!1か月で数千万!!
実際に可能ではありますが、「たまたま」です。
自分のセットアップと相場が完全に合わない限り一撃数千万円というトレードはできません。(数千万単位でポジションを持つなどは証券会社が受けてくれませんし、大きく滑ったりします)
■EX
(1)損切ができる俺凄いかっこいい。感情を克服した者だけが到達できる域に、自分は到達した(CISさんやBNFさんなど)
(2)利益確定したことで、もう一度戻しの値幅分リスクリワードのいい勝負ができる。
(3)次のトレードでバイアスがかからない状態で、相場を見ることができる。
(4)勝ったり負けたりしながら資金を増やすトレーダーが本物のトレーダー(By FXism及川さん)
(5)大負けしなければ、資金を築くことができる。
(3)今この瞬間がすべて
ヨガの考え方で、マインドネス瞑想ではお馴染みの認識です。
持っていたポジションを利食いしようと思ったとき、「まだ伸びたかも」といった考えが浮かんできます。
それが抵抗となりポジションを保有した結果、建値まで戻り損切となる。
このパターンが一番ダメージがあります。
損失の方が利益に比べて2.25倍感情に左右するそうです
エントリーした後、1分だろうが5分だろうが、その後の相場は全く別ものです。
今この瞬間の値動きが全て!!
こういう認識を持つと、意思決定後の後悔で感情が揺さぶられることを抑えることができます。
決済後、ポジションが伸びようが伸びまいがルール通りにトレードして、今この瞬間を生きている。今この瞬間の相場を判断する。それが大事な考えです。チキン利食いでも利を確保できたことに価値があります。
マインドフルネス瞑想はこちらを参照
【マインドフルネス瞑想】の効果とやり方
(4)反復練習
①~③を踏襲し、この④番がバイアスに打ち勝つために必要な実践事項です。
人間には、環境に適応する能力があります。
新しい職場でも、数カ月は勤めれば慣れますよね!?
そして良いことに、感情は金額の大きさに比例しません。
つまり、少額でトレードの練習をしても、プロスペクト理論を克服するに足り得る訓練ができるということです。
■例
(1)ルールを定め、フォレックステスターでエントリーとイグジットを繰り返す。
(2)その度に浮かんできた感情を「なぜ躊躇したのか」「なぜ苦しいのか」自問自答してください。
(3)自問自答した内容をカテゴライズしましょう。
(4)その内容を、知り・認めます。そして、見方を変えます。
損切→次のトレード機会を得た
撤退→平均損失を抑えることができた
(5)上記をノートに書き起こし、寝る前に内容を音読します。
(6)(1)~(5)を毎日繰り返しながら、少額リアルトレードで同じことを行います。
すると、
意思決定→エントリー
意思決定→イグジット
というトレードの一連の動作に慣れていきます。
おすすめは、口座資金10万でリスク5%くらいを取っていくと、感情も揺れ動き精神的にいい負荷がかかります。トレードスキルがあれば結構増やせます。
(感情が揺れ動かない人は、トレードの才能があります。スキルさえ身につけば、資金を簡単に増やせるでしょう)
まとめ
今回は、トレードの3大要素のうち「メンタル」の克服方法をご紹介しました。資金を飛ばす人は、例外なく「プロスペクト理論」によるバイアスの影響で、正しい判断ができなくなっています。
成功哲学の本を読んでも成功できないのは、それぞれ歩んできた人生や環境がちがうからです。
トレードも同じく、人それぞれ合う合わないことがあると思います。
トレードで私が一番苦労した、この認知バイアスにおける問題解決のエッセンスはお伝えできたかと思います。
私自身、多額の借金をするまで気づけなかった。そして気づいて、克服するためにどうすればいいのか本気で考えた内容です。
私の場合、「お金」よりも「自分の正しさ」を証明したいという思考がバイアスがかかる原因でした。ですのでフォレックステスターでも感情が大きく揺れ動いたので、リアルで比較的結果が出やすかったという思い出があります。
皆様がこのブログを通じて、メンタルという相場心理を克服して頂けると幸いです。
Answer is always inside me!!
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いちひろ